EMFM Meetup #1に行ってきた
このイベントに行ってきた
概要
EM.FM 再生数10,000回 & 20,000回突破記念として、Meetupを開催します! 本イベントでは以下を実施予定です。 公開収録(参加者の方とリアルタイムのディスカッション) EM.FMのリスナーや、Engineering Manager界隈の横のつながりを目的とした懇親会
登壇者
ゲスト
名村 卓 CTO, Mercari
受託開発経験を経て、2004年株式会社サイバーエージェント入社。各種メディアやゲームなどの新規事業立ち上げの開発を担当。2016年に株式会社メルカリ入社。USに出向し、USのサービス開発を担当。2017年4月CTO就任。
是澤 太志 VPoE, Mercari
シーエー・モバイルで幅広くの技術領域を経験。 ALBERTで技術責任者、フリマ関連のベンチャー企業でCTOを経て、Speeeでは開発責任者を務めた後、エンジニアマネジメント責任者兼エンジニア採用責任者として組織マネジメントに注力しながら、スタートアップなどの技術顧問、組織顧問も経験。2017年12月より、メルカリにて執行役員VP of Engineeringとしてジョインする。
ざっくりトーク内容
メルカリにおけるCTOとVPoEの違い
CTO: 技術ロードマップの方向性
VPoE: 日本メルカリの技術の管理
管掌の範囲と組織の見据える範囲が違う
マイクロサービス化について
どのぐらい組織が大きくなればマイクロサービスを目指すべきなのか
ケースバイケースだがもし今から新しく創るならマイクロサービスアーキテクチャで創る。
トレンドとしてもその方向。
ダイバーシティにコミットしていく理由
トップダウンによる想定通りのものではなくてチームからいいものが出てくるような組織を作りたい
エンジニア一人ひとりが個性を発揮してプロダクトに影響を発揮できるようにしたい。
新しいイノベーションの頻度を上げるためにはいろんな価値感を持った組織であるべき。
ダイバーシティ性を担保するためにやっていること
異文化を知る研修などを行っている。
EM達に対しては1on1ではっきり言う。
ちゃんと主張をするようにする(話せる言語で)。
変にしゃべれない英語で言わない。
EM of EM創った理由
メルカリでマネージャーが見る範囲は8人までなのでスケールしない。
マネージャーへのフィードバックは必要だったのでスケールするために階層化した。
組織の階層化は情報がねじ曲がって, 本質的なところが伝わらない。
解決するために伝える技術、ドキュメント能力を改善していくようにしてる。最初に結論を伝えるようにする。
信頼するけど信用しない。認識があってるかちゃんとアウトプットを確認する。
信用について、コードレビュー一つとってもある程度できるようになってきたら自走させて権限委譲させていく
CTOの目指している組織
エンジニアがやっていることが会社にとってマイナスにならないようにする
優秀なエンジニアとはどういうエンジニアなのか -> 意思決定のできるエンジニア。
経営陣の想定を超えたものを創るためにとにかく世界を変えたいやつらを集めてる。
意思決定はデータドリブン、フィーチャーフラグで世界展開していく。
自由だが正しいもの、データ的にすぐれるものが広がっていくような組織にしたい。
組織でカオスエンジニアリングやりたい
クロージングトーク
マイクロサービスは本当にいい
障害にも強くスケールできる。
ちゃんとヴィジュアライズすれば障害検知もできテストもしやすい
(マイクロサービスに向かっているのは)kubernetesの登場が大きい、ECSもある。
kubernatesのいいところはマニフェストファースト、マネージしやすくてマイクロサービスに向いている
サービスオリエンテッドにやっと技術がおいついてきた感じ
インフラレイヤーが発達した結果マイクロサービス化につながっていると思う
どういうエンジニアを取っていくべきなのか
技術志向の先にちゃんとプロダクトを見ていてる人を取っていくのが大事
変化を受け入れられる、不確実性に強い人を取るべき。
感想
エンジニアはマネージャーをやりたがらない。
自分自身も同じような印象を持っていた。
EM . FM #EMFM • A podcast on Anchor はそういう意識を変えたい、マネージャーの面白さを伝えるようなポッドキャストである
実際に今回公開収録に行ってみて感じたのは、
話してる方々エンジニアリングマネージャーとして
大変なところはもちろんある
けどやりがいや楽しさをもってやっている
というのが伝わってくるような静かに熱い公開収録でした。
- 信頼するけど信用しない - 2,3年で体制が作れなかったら自分で首を斬るべき。 - 体制をつくって移譲していく。空いた時間で次の事を考えていけるようにするべき。 - 個人の能力によって会社は伸びることがあっても個人の能力に会社は依存してはいけない
公開収録中で耳に残った言葉達。
どれも共感できるし自分の組織でもいつかはこうしていきたいという指針になった。
自分としてはまだまだ上のレイヤーの話だとは思うが視座を高める良い機会でした。
最後に
個人応援団はじめるぞーとのこと!
「ハッカーと画家」を読んだ
- 作者: ポールグレアム,Paul Graham,川合史朗
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 単行本
- 購入: 109人 クリック: 4,884回
- この商品を含むブログ (582件) を見る
概要 大成功ベンチャーの創業者にして天才プログラマの著者が語る、これからの時代を見通す考え方と創造のセンス
TL;DL
ハッカーの価値とは
ハッカーは子供の頃からハッカーである。ここでいうハッカーの定義はプログラミングに限った話ではない。 物事に対する考え方が他と異なる、常識を疑い日常をハックするものも含まれる。スクールでの低位カーストに含まれるオタクたちもそれである。 学校という特殊な環境の中では異端はすぐつまはじきにされる。理解もされない。 だが学校という枠から外れるとハッカーはすごく力を持つことになる。それがまるで後世に名を残した画家のようである。
他人と違う見方をしてしまう天の邪鬼のようなハッカーの価値は広い世界で力を持つ。 現在の主流が正しいとは限らない。 プログラミングをするときに選択する言語一つとってもあてはまる。課題に対しては最適なプログラミング言語を選ぶべきである。
狭い世界で生きるな。常識を疑う事、他者と異なる事に誇りを持つことがハッカーをハッカーたらしめている。 広い世界で生きた時、ハッカーはその能力を持って世界を変えていける力を持つ
お金によって見えにくくなってしまった富
富とは人それぞれによってことなる。現在流通しているお金がまるで富の代表のように認識されてしまっているがそれは間違いである。 お金は富との交換手段である。お金には限度があるが富は作り出すことができる。 もし裕福になりたいと思うなら測定と梃子が必要である。 企業の中で多数に埋もれるような仕事は測定できない。自分がやった仕事を測定できるような仕事に就くべきである。 ハッカーにとって梃子とは技術である。技術を作り出すことで富をも作り出してきた。 お金を儲ける事を目的にしてはいけない。お金は限られたパイであるが富は創り出せるのだから。
デザインはユーザーのためにある
どんなプロダクトもユーザーは課題を持っている。ユーザーの課題を解決できるのはデザインである。 デザインはユーザーの為にあるべきだし、人間であることを理解して寄り添う事が大事である。 プロダクトを創っている立場からもとても共感できる。
良いデザインがユーザーの必要としているものを作るんだとして、 ではユーザーとは誰だろう。私はデザインはユーザーのためのものだと言ったが、 ユーザーの最小公倍数みたいなものを目指すのが良いデザインだというつもりはない。 どんなふうにでもいいから、あるユーザーの集合を決めるんだ。 例えば道具をデザインしてい るなら、初心者向けにデザインしてもいいし、 熟練者向けでもいい。ただ、あるグループ向けの良いデザインは、 別のグループ向けとしては良くないかも知れない。 大事なことは特定のグループのユーザーを対象とすることだ。 対象とするユーザーを特定しないことには、 デザインの良否さえ議論できないんじゃないかと思う。
プロダクトに限らず何かを作るとき、それがどのユーザーに向けて作るかで課題も解決方法も変わってくる。徹底したユーザー分析が必要である。
まとめ
基本的に客観的なデータ等はなく筆者の経験や主観からなるエッセー集である。 特に著者のLISP愛に対する愛が深く、ハッカーの姿勢が垣間見える。 内容を抽象化することで本書の大事な部分は普遍的なものになる。 他者と異なる考え方を持つこと、デザインをユーザーファーストで考えること。 プロダクトを作る際は適切な言語で創ること。プロダクトは富を創り出すものであること。 本書の内容をそのまま受け取ることは難しいが参考にするべき考え方は確かにあった。
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「お金2.0」を読んだ
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/29
- メディア: Kindle版
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今までの経済とこれからの経済
TL;DL
- 経済システムの発展・持続性に必要な要素は、マネジメント論への適応もできる
- 既存の枠組みでは価値にならなかった物が将来的に価値になる
- 自分自身の熱量を捧げられる物にリソースを割いてオリジナリティやブランディングしていく事が大事
経済システム
- ここでいう経済とはいわゆる一般的な「経済」のみではなく人と人とのつながりである
- つながり(ネットワーク)は以下の3分類
1. 本能的欲求 2. 金銭欲求 3. 承認欲求
会社における組織も一つの経済である
- 経済システムを発展と持続性をもたらす要素はそのまま組織へのマネジメント論へ適応できる
- もちろん他の経済システム、コミュニティなどにも適応できる
経済システムを発展させる5つの要素は以下
1. インセンティブ(報酬・承認) 2. リアルタイム(状況が変動する事) 3. 不確実性(運と実力の要素) 4. ヒエラルキー(序列) 5. コミュニケーション(交流する場)
- 経済に持続性をもたらす2つの要素
1. 寿命(ユーザーのライフサイクルを考慮したサービス設計) 2. 共同幻想(一つのコミュニティが共通した理念を持っていること)
- 脳の報酬系を利用した経済システムは発展しやすい
- ゲームは脳の快楽物質を擬似的な報酬で得る装置であることから、直接的な対価を求めずに経済システムを作ろうとするとゲームに近づいていく
資本主義から価値主義へ
かつては国家のみが経済を作り、その経済に住む事しか選択肢になかったが テクノロジーによって経済圏は創っていく対象になった。
目に見えない情報資産にも価値がある社会へ 価値の三分類は以下
- 有用性(役に立つか) - 内面的 (個人の内面にとってポジティブ) - 社会的(社会全体の持続性を高める事)
- 現代までは有用性のみが価値を持つ時代だった。
- テクノロジーの進化によって共感や感謝など内面的で見えない価値もトークン化することで価値として可視化できる
- 結果として今後力を持つようになるのはソーシャル・キャピタル(共感や感謝)を増やすのがうまい人
- 価値主義とはお金や経済の民主化、資本にならない価値で回る経済の実現であり、個人は経済の選択肢が増え国を超えて自分でどのシステムに所属するか選べる時代になる
今後について
テクノロジーの進化によって人は現実をどこの世界に置くのか選べるようになる可能性が高い
個人がどの「現実」に価値を見出していくことになったとしても
選んだ経済システムの中での価値から利益を得ることになる。
何かを好きや愛、熱量といったものが価値となって結果的に利益を得られるようになり
個人のオリジナリティ・ブランディングが重要になっていく時代になる
未来を見据えて今から自分の好きを探してリソースを割いていくべきだろう
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
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